こどもの病気と事故― 家での対応から上手な病院のかかり方
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病気
◆何が多いでしょうか
日中の外来では熱のない咳鼻水が多く、他には熱、喘息、胃腸炎などが混じります 。夜間の救急外来では熱での受診が一番多いです。その他には喘息がらみの咳、流行 のあるウイルス性胃腸炎からの嘔吐などが多いです。  病気は待ったなしですから、24時間いつでも発症します。その時に上に記した熱、 咳、嘔吐などの症状で、どうなったら受診したらよいのか、待ってもよいのか、手遅 れにならないのか、などについてお話しします。
◆熱の時はどうしましょうか
 熱はいつでも出ます。救急受診の必要な熱、必要ない熱はどのように見分けましょ うか。  熱があっても元気があり、食欲があればとりあえず緊急性は乏しいでしょう。熱で辛そうだったけど、体を冷やしたり解熱剤の使用で元気回復するならそれも安心です 。救急受診の必要はなさそうです。ひょっとしたら一晩だけの発熱かも知れません。翌日まで熱が残れば受診でよいと思います。
一方、生後3ヶ月までの赤ちゃんは救急受診をお勧めします。単なる風邪以外の特別な病気の可能性があるからです。また、熱が高くないのに元気がない、辛そう、意識がぼーっとしている、吐く、ひきつけた、などの熱以外の症状があれば受診してください。救急受診の目安は熱の高さではないのです。
40℃も熱が出たので頭が変にならないか心配で救急外来を受診する例は多くあります。一般的な風邪など、発熱の原因場所がのどや扁桃腺での熱ではその心配は要りま せん。熱が主症状で、神経の症状はありません。元気もまずまずでしょう。一方、発熱の原因が頭の場合、髄膜炎や脳炎では微熱であっても危険です。その時は、痙攣、 意識障害など神経の症状が出ることが多いです。
◆熱のあるこどもの看護
大人と一緒です。熱が出始めでガタガタと寒い時、今度は暑くて布団をはねてしまう時、その時、その時に合わせた楽なことをしてあげましょう。当人が寒いとき、赤ちゃんでは体の中心が熱くで手足が冷たい時、布団をかけてあげたり靴下をはかせましょう。逆に当人が暑い時、赤ちゃんでは手足が暖かい時、涼しくするのが基本です 。きっと汗をかいているでしょう。この時に毛布でくるんだりして暖めると、それだ けで熱が1度くらい上がってしまいます。
◆熱の下げ方-体を冷やす
当人が暑い時、手足が暖かい時に体を冷やしてあげましょう。太い血管を冷やすと冷えた血液が体をめぐり有効です。たとえば、首、わきの下、足のつけねです。氷枕や水枕が好きならどうぞ使って下さい。氷枕やアイスノンなどをタオルや風呂敷などでくるんで背負わせてたり、リュックに入れて背負わせておくと、動いたり寝転がったりしても体を冷やすことができます。ぬるま湯に浸したタオルをかたく絞って全身を拭くのも効果的です。これだけで1度くらい熱が下がることもあります。これらはクーリングcoolingと言います。水分の充分な投与も必要です。
◆熱の下げ方-解熱剤の使い方
解熱剤はどうしましょうか。水分を与え、coolingをしてまだ辛そうな熱で、使い慣れているのならどうぞ使って下さい。アセトアミノフェンという解熱剤が安全です 。座薬ではアルピニーAlpiny、アンヒバAnhiba、飲み薬ではピリナジンPyrinazin、カロナールcalonalなどが病院で処方されています。小児用の市販薬も熱を下げてく れます。発熱の翌日に受診した時に解熱剤を使ったことを咎められることはありません(勝手に使ってはいかん、と怒る先生もいますが)。でも3ヶ月までの赤ちゃんに は解熱剤を使わずにすぐに救急を受診してください。
兄弟の薬を他の子にも使えるのでしょうか。兄弟内で同じ病気に順番にかかることは多く、前に受診して残っている兄弟の解熱剤を使うことはあります。前例で効果が 確認できているのならなおさら使いたいと思うでしょう。問題はその量です。体重で量を決めていますから、体重が小さいならその分だけ減量してください。多めに使うの は危険です、少量で使いたいものです。
何度で使うかの目安はありません。40℃でもケロッとしているのならcoolingだけで十分です。逆に熱で辛そうなら使って下さい。だいたい38℃の後半のことが多いで す。平熱近くで使用して熱が下がりすぎてしまうことがたまにあります。薬ですから副作用だってあります。
◆入浴はどうしましょうか
熱の出ている真っ最中はさすがにやめましょう。汗をかいて熱が下がった時、当人が元気で入りたい時は、いつもよりあっさりと汗を流すだけくらいにしてください。熱の有無にかかわらず、冬は浴室、脱衣所、部屋の温度差を小さくしてください。
◆咳の時はどうしましょうか
寝入りばなの咳、朝方の咳は健康な児でもよく見受けられます。「夜咳、朝咳」な どと言われています。眠れない、咳で起きてしまう、食べにくい、思いっきり遊べな い、などは受診しましょう。喘息がちの児では夜間に悪くなることが多く、家で頑張 り過ぎると外来の軽処置だけでは治療できなくなり、点滴や入院も必要になることが あります。
◆吐く時はどうしましょうか
流行性の胃腸炎での嘔吐は、半日くらいで嘔吐も数回で済む軽症の児から、数十回嘔吐したり、数日も続いたりして、点滴、入院する重症の児まで幅があります。
吐いた後にゴクゴクと飲むとまた次の嘔吐を生みます。しばらくは胃袋を空っぽにした方が楽です。数回の嘔吐では脱水にはなりません。その後に氷をなめたり、水を スプーンやおちょこに1杯ずつ、少しずつ与えてください。この方法で自然軽快を待 つこともできます。
嘔吐回数が多い、ぐったりしている、顔色が悪い、などは受診しましょう。
◆抗生物質の使い方
抗生物質は魔法の薬ではありません。細菌感染症には有効ですが、ウイルス感染症には無効です。外来で診る熱の殆どはウイルス感染症なので抗生物質は直接には熱を下げてくれません。それほど高い熱でなく経過もまだ短いと処方しません。抗生物質の乱用が抗生物質の効かない耐性菌をお子さんの体内で増やしてしまう可能性もあります。処方してくれないのは小児科医がけちだからではありません。
◆検査や点滴はどうしましょうか
通常ではすぐにはしません。経過が長い(だいたい5~7日くらい)、症状が特別だ 、何となく気になる、などで検査に踏み切ります。  点滴は脱水傾向のある時、体力を消耗している時などに行います。そんな時は点滴 を打ったら楽になる、早く直る、ことが多少は望めますが、熱があるだけなどでは 通常はやりません。
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