作品紹介 もっと詳しく知りたい かながわ県民共済

2月5日(土)~2月17日(木)
虹の岬
(1999年/日本/115分)

監督 奥村正彦
出演 三國連太郎、原田美枝子
配給 東宝
 
STORY
 17歳で結婚した祥子は、それまでは家庭のことしか知らない、ごく平凡な主婦であった。そんな祥子が川田順という歌人と出会ったのは、日本の敗戦が差し迫った、昭和19年5月のことだった。川田は、実業界の第一線で活躍しながらも、その地位を捨て、近代短歌史上に輝かしい足跡を残した人物であった。妻と死別し5年が過ぎ、川田は64歳になっていた。短歌という、今まで自分の知らなかった世界に身を置いて、祥子は自分が変わっていくのに気付いた。それが、純粋に短歌に心の平安を求めていたからなのか、それとも川田への単なる憧れからなのか、自分でもまだわかっていなかった。運命としか言いようのない時代の流れのなかで、ふたつの魂が静かに燃え上がろうとしていた。
INTRODUCTION
 1994年に出版された原作は、その年の第30回谷崎潤一郎賞を受賞し、早くから、その映画化をめぐり映画製作会社各社で争奪戦が展開された作品である。著者・辻井喬の描いた精神世界を情感豊かに演じる重厚なキャスト陣を揃え、美しく格調高い映像表現で観るものの心を静かに、そして荒々しく揺さぶる恋愛映画が完成した。物語は、実在の人物、歌人・川田順と短歌の弟子であった人妻・森祥子の激しい恋の経緯を主軸に、揺れ動く昭和という時代を浮彫りにしている。祥子には大学教授の夫と三人の子供があった。50年前の道徳的規範の厳しかった時代である。世間の冷やかで好奇な視線に耐えて、しかし、ふたりの愛は進行する。“家庭外恋愛”が流行るような現代においてでさえ、果たして“真実の愛”を求めて、これほど清冽な生き方ができるだろうか?

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