作品紹介 もっと詳しく知りたい かながわ県民共済

2月19日(土)~3月2日(木)
セントラル・ステーション
CENTRAL DO BRASIL(1998年/ブラジル/111分)
ベルリン映画祭金熊賞(グランプリ)・銀熊賞(主演女優賞)
エクメニカル審査員特別賞
サンダンス映画国際賞


監督 ヴァルテル・サレス
出演 フェルナンダ・モンテネグロ
マリリア・ペーラ
配給 日本ヘラルド映画
 
STORY
 リオのセントラル・ステーションの集会所で、元・教師ドーラが読み書きのできない通行人のために手紙を書き、投函している。孤独や不幸、それに駅を通り過ぎる絶望的な人々の顔に何も感じなくなったドーラは、自分の責任の重さを忘れ、送る手紙と捨てる手紙を適当に選んでいる。しかし、ドーラの客のひとりが駅の外で事故死し、身寄りのいない9歳の息子ジョズエを引き取ることになる。好奇心まじりの母性につき動かされたドーラは、最初はジョズエで金を稼ごうとするが、結局は少年を遠く離れた田舎にいる父親の家まで送りとどけることになる。
INTRODUCTION
 ジョズエ役には空港で靴磨きをしていた新人ヴィニシウス・デ・オリヴェイラが抜擢され、逞しく生きる少年を瑞々しく演じた。ドーラを演じるのは数々の女優賞を受賞し、ブラジルを代表するベテランのフェルナンダ・モンテネグロ。疑い深く、嘘つきで孤独なドーラがジョズエとの旅を通じて、変化する心理描写を見事に演じて絶賛された。映像的な詩情もあるこの作品は、日常生活を控えめながらも素晴らしく表現してみせた叙事詩であり、観客の心をとらえ、精神的な活力をあたえてくれる作品でもある。スタイルと感情表現の画期的な勝利ともいえるヴァルテル・サレス監督はヌーヴェル・ヴァーグやネオレアリズモの呪縛から解放された手法で、見事な才能を見せている。感情豊かで、優しさのあるこの作品は、皮肉な考え方と利己主義の支配によって崩壊してしまった社会で生きる人々のアイデンティティと家族の復活を、痛切に感情豊かに描くことで、ブラジル社会の現在の実情を切りとってみせた作品である。そして、世界中にその感動を伝えた作品なのである。

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