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9月29日(土)~10月11日(木)
シベリアの理髪師
THE BARBER OF SIBERIA (1999年/仏・露・伊・チェコ/162分)

監督 ニキータ・ミハルコフ
出演 ジュリア・オーモンド、オレグ・メンシコフ
配給 日本ヘラルド映画
 
STORY
 1885年帝政ロシア。一人のアメリカ女性ジェーン・キャラハンがモスクワに降り立った。シベリア森林開墾の為の技術開発に携わる発明家ダグラス・マクラケンを訪ねてロシアへやって来た彼女は、ふとしたきっかけでトルストイという名の若い士官学校生と恋に落ちる。彼女にとって戯れにすぎなかった恋はやがて、遠くシベリアへと思わぬ悲劇を招くことに…。
INTRODUCTION
 「変わりゆくロシアで私達に出来る事は、私の映画で価値あるものとして賛美されているものが、ひょっとしたら未来のロシアで見直されるかもしれないと希望を持つことだけです」と語るミハルコフ監督。タイトルに込められた謎、モチーフであるモーツァルトの音楽の演出の巧みさ、オペレッタのような軽快さと、文学的な深遠さ、芸術的な膨らみを兼ね合わせてしなやかに語られる「シベリアの理髪師」は、自ら名門の出身であり、歴史と伝統を重んじ「帝政ロシア」を愛してやまないニキータ・ミハルコフ監督の集大成であり、真のドラマの復権である。黒沢、キューブリック亡き後、"ドラマ"で映画を語るという贅沢を味わえるのは、彼の作品をおいて他になく、この感涙のラブ・ロマンスに心を揺さ振られない者はないだろう。

トルストイという苗字について
 車中での最初の出逢いでヒロインのジェーンはアンドレイに「アンナ・カレーニナ」の作者レフ・トルストイの縁者かと尋ねる。1885年当時、トルストイは作家としてばかりでなく、「トルストイ主義」と呼ばれる独自の人生論の喧伝者として、世界各国に愛読者と信奉者を有していたのでジェーンもこんな質問をしたのだろう。作家レフ・トルストイはロシアでも最も古い伯爵家の出身であるが、トルストイという苗字そのものは、ロシア語で「太っている」を意味するトールストゥイから形成されたものであり、こうした身体的特徴を語源とするロシアの苗字は極めてありふれたものである。

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