作品紹介 もっと詳しく知りたい かながわ県民共済

5月4日(土)~5月16日(木)
見出された時「失われた時を求めて」より
LE TEMPS RETROUVE 
(1998年/フランス=ポルトガル=イタリア合作/163分)

監督 ラウル・ルイス
出演 カトリーヌ・ドヌーヴ、
エマニュエル・ベアール
配給 日本ヘラルド映画
 
INTRODUCTION
 マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」は、それまでの小説の形を一新した作品で、当時の文学界に大いなる衝撃を与えた。この作品の出現により以後の文学は変わったと言われただけでなく、第2次大戦以後もその評価はますます高まり、21世紀を迎える現在では揺るぎないものとなっている。
 まさに20世紀文学の原点にして頂点といえる小説「失われた時を求めて」は、主人公の無意志的記憶が引き金になって、物語が過去と現在を自由に行き来するという実験的な構成により、難解な小説だと思われてきた。しかし、世界中の著名な作家たちが口々に多大な影響を受けたと語り、必読の書であるとするこの名作の本質を、耽美かつ豪華な映像で目の当たりにできる機会が今、ついに訪れた。
 今回、「失われた時を求めて」の他ならぬ最終篇が映画化されたことには重大な意味があるのだ。最終篇は、単なる物語の結末ではない。何のために「失われた時を求めて」が書かれたのか、そして深く深く失い尽くした時を、主人公はどうやって見出すのか、果たして"見出された時"とは一体何なのか、どのような意味を持つのか、その全ての答えがここに用意されている。ヴェールに包まれていた作品全体の秘密が明らかにされることにより、プルーストが考える文学の本質が、ひいては人が生きることの本質までもが解き明かされるのだ。
STORY
 晩年を迎えた作家マルセル・プルーストは病の床につき、女中のセレストを相手に口述筆記をしている。やがて疲れたマルセルは、セレストに昔の写真の束を持ってくるよう頼む。1枚1枚拡大鏡で写真を確認するマルセル。裕福なブルジョワの一人息子として生まれた彼が交流してきたのは、フランス上流社会を賑わした人々だった。マルセルの回想が始まる。一つの記憶の音が、香りが、残像が、次の記憶を呼び覚まし、またその次の記憶へと自由自在に繋がっていく。そしてその時の悲しみが、喜びが、まるで今また起こっているかのように蘇る……。

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