作品紹介 もっと詳しく知りたい かながわ県民共済

3月15日(土)~3月27日(木)
シッピング・ニュース
THE SHIPPING NEWS  (2001年/米/112分)
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 助演女優賞

監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ケヴィン・スペイシー、ジュリアン・ムーア
配給 アスミック・エースエンタテインメント松竹
 
INTRODUCTION
 原作はピュリッツァー賞と全米図書賞をダブル受賞した世界的ベストセラー、E・アニー・プルーの小説「ニュース」。人生を投げ出していた中年男クオイルが、両親と妻の死を契機に父祖の土地ニューファンドランド島に戻り、生きる力を取り戻していく過程を、精緻な筆致で丹念に描いていったものである。監督は『サイダーハウス・ルール』、『ショコラ』と2年連続アカデミー賞候補に名を連ねるラッセ・ハルストレム。デビュー作『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』、アメリカでの成功作『ギルバート・グレイプ』から一貫して、“家族”の中で自己を発見していくというテーマをヒューマンな視点で描いてきたが、本作でもその姿勢は貫かれている。父親に抑圧され、自分を持てないまま生きてきた中年男クオイル。両親の死、妻の裏切り、娘との隔絶。家族の現実と向き合うことはクオイルにとっては痛みであるが、その痛みを受け止めてこそ、生きていく強さと優しさを取り戻せるのである。ハルストレム監督の優しい眼差しは、全ての人をそっと力づけるように見守ってくれる。大人のための、優しい物語なのである。
 本作のもう一つの主役は、ニューファンドランドの厳しくも美しい自然。吹きすさぶ雪の中で懸命にロープを結ぶ男たちの手のアップで人間の生命力を感じさせる力強いオープニング・シーン、荒々しい岩肌の海岸線を捉える空撮、吹雪の中“緑の家”を引っ張っていく幻想的なシーンなど、ニューファンドランドならではの手触りのある画面が、ファンタジックな物語に説得力を与えている。
STORY
 大西洋を臨む最果ての地、ニューファンドランド島。妻ペタルに裏切られた中年男クオイルは、娘バニーを連れて叔母のアグニスと共に、ニューヨークから父の故郷であるこの島にやって来た。朽ちかけていた代々の家を修理し、3人の新しい生活が始まった。クオイルは地元の新聞社ギャミー・バードに職を得、コラム“シッピング・ニュース”を担当することになる。オーナーで編集長のジャックは机には落ち着かず、いつも海で漁ばかりしている。古株のタート・カード、家庭欄とゴシップ記事担当のビリー・プリティ、ブラジルから流れ着いたというイギリス人ナットビーム。ジャックの息子で大工のデニス。そして託児所を営む若き未亡人ウェイヴィとの出逢い。仲間に支えられて、クオイルは次第に記者の仕事に自信を見いだしていく。だが、地元の人々との交流を深めるにつれ、彼は封印されていたクオイル家の秘密を暴いていくことになる・・・。

 
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