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2月4日(水)~2月16日(月)
太陽の雫
SUNSHINE  (1999年/カナダ・ハンガリー/180分)
1999年ヨーロッパ映画祭主演男優賞・撮影賞・脚本賞

太陽の雫
監督 イシュトヴァーン・サボー
出演 レイフ・ファインズ、ローズマリー・ハリス、レイチェル・ワイズ
配給 新日本映画社
 
INTRODUCTION
 20世紀。歴史は怒濤のごとく押し寄せて彼らに栄光を極めさせ、返す波で地獄の底に引きずり込んだ。これはブダペストに生きたユダヤ人ゾネンシャイン一族3代の栄光と受難、愛と戦いを描いた一大叙事詩である。物語は、語り部であるイヴァンが曾祖父エマヌエルからはじまる一族百年の歴史に思いを馳せることによって幕を開ける。
STORY
 19世紀後半、父の死により、12才にして母と弟を養うことになったエマヌエル・ゾネンシャイン(ドイツ語で「日の光、喜び、太陽」という意味)は故郷の村を出、ブダペストにやってくる。醸造所につとめ、勤勉に働き、25才で独立すると自らの姓から取った名前の薬草酒“サンシャインの味”で大成功する。
イグナツはエマヌエルの長子で、法律家として成功するが、やがて第一次世界大戦が勃発し、従軍裁判官として皇帝派よりの判決を繰り返したため、戦後共産化したクン・ベーラ政権により軟禁される。めまぐるしく変わる世の波に翻弄された一生であった。
 イグナツの次男で、フェンシングに才能を開花させたアダムは、1936年ベルリンオリンピックのハンガリー代表として金メダルを獲得し、国民的英雄となるが、ナチスによるユダヤ人迫害の渦から逃れることが出来ず、強制収容所に送られる。
 イヴァンはアダムの息子で、ハンガリー動乱をはさむ社会主義政権期、停滞の時代に生きた。父の復讐に燃え、戦後警察に入りファシスト狩りに狂奔するが、時はスターリン影響下の恐怖政治期。裏切り、告発、粛正。心晴れることがないまま、警察を辞し、民主化運動に活路を見出すが、ハンガリー動乱により逮捕され、3年の月日を刑務所で送る。
 出所したイヴァンは、祖母ヴァレリーの元に身を寄せる。ヴァレリーこそはイグナツ、アダム、イヴァンとゾネンシャインの男たちを直接知る人。激動する歴史の中で唯一人生き延びてきた。彼女のもとイヴァンは穏やかな日々を送る。しかし、百年近く生きた彼女にも死が訪れる。要らなくなった家財の中から見つかった曾祖父エマヌエルの手紙、思い出されるヴァレリーの「それでも人生は美しい」という言葉。ようやくイヴァンは暗い過去に決別し、自己を回復する兆しを見るのだった。

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